薬剤師国家試験 第98回 問98 過去問解説

 問 題     

日本薬局方イソソルビドの定量法に関する記述1~3のうち、正しいのはどれか。また、( a )に入る係数として4~6のうち、正しいのはどれか。それぞれ1つずつ選べ。ただし、イソソルビドのとする。

「本品約10gを精密に量り、水に溶かし、正確に100mLとし、層長100mmで20±1℃における旋光度αDを測定する。

イソソルビド(C6H10O4)の量(g)=αD×( a )」

  1. 旋光度の測定には、通例、光線としてナトリウムスペクトルのD線が用いられる。
  2. 物質が旋光性を持つためには、分子の中に少なくとも1個の不斉炭素がなければならない。
  3. イソソルビドの溶液は、偏光の進行方向に向き合って見るとき、偏光面を左に回転させる。
  4. 4.55
  5. 2.20
  6. 0.455

 

 

 

 

 

正解.1, 5

 解 説     

選択肢 1 はその通りの記述です。

不斉炭素がなくても、旋光性をもつことはあります。また、旋光度が+であるということは、右旋性ということです。よって、選択肢 2,3 は誤りです。

比旋光度は、下の式により定義されます。

[α]20D:比旋光度
α:旋光度(実測)[°]
l:試料セルの長さ[mm]
c:溶液の濃度[g/mL]

本品 10g の中にイソソルビドが a (g)入っているとすると、水に溶かし 100mL としていることから、上式の c は 0.01a です。また、l=100、[α]20D =45.5 なので、上式に代入すると

となります。

以上より、正解は 1,5 です。

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