98回薬剤師国家試験 問59解説

 問 題     

尿路結石に関する記述のうち、誤っているのはどれか。1 つ選べ。

  1. 腎結石、尿管結石、膀胱結石及び尿道結石に分類される。
  2. 主症状は、疼痛と血尿である。
  3. 結石が膀胱に落下すると、痛みは消失する。
  4. 自然排石は、まれである。
  5. 超音波検査により診断できる。

 

 

 

 

 

正解.4

 解 説     

尿路結石とは、尿路、すなわち、腎杯、腎盂、尿管、膀胱、尿道にできた石のことです。尿管までを、上部尿路、尿管以降、すなわち、膀胱、尿道をまとめて、下部尿路と呼びます。多いのは、上部尿路結石です。

半数以上の尿路結石は、自然排石、すなわち排尿時に石が出てきます。膀胱まで石が落ちると、痛みは消失します。これは、痛みの原因が石自体によるものではなく、石の存在により尿の流れが悪くなり、腎に過大な圧力がかかることによるためです。そのため、石が膀胱まで落ちれば痛みが消失します。

イメージとしては、食べ物をずっと食べ続けていて、ある時のどにもちが詰まった状態です。もちが、石のたとえです。食べ続けている食べ物は、腎臓にろ過される血液のたとえです。もちが詰まるせいですごく苦しいけれど、胃の方に落ちてくれると急にすっきりするのと同じようなイメージでよいと思います。

自然排石はまれであるという記述は誤りです。

以上より、正解は 4 です。
類題 103-340

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