薬剤師国家試験 第97回 問306-307 過去問解説

 問 題     

薬局製造販売医薬品(以下「薬局製剤」という)について、以下の問に答えよ。

問306

薬局製剤に係る製造販売業の許可を受けた薬局開設者に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。

  1. 当該薬局以外の薬局で製造された薬局製剤を販売することはできない。
  2. 薬局製剤を販売する場合には、薬剤師又は登録販売者に、当該薬局において対面で販売させなければならない。
  3. 薬局製剤を販売の目的で調剤室に貯蔵してはならない。
  4. 製造販売承認を受けた薬局製剤たる漢方処方製剤について、その成分又は分量を加減法により変更して製造販売することができる。
  5. 薬局製剤の製造業の許可を受けることなく当該医薬品を製造することができる。

問307

かぜ症状を訴えて薬局を訪れた来局者に、薬局製剤の葛根湯を販売することとなった。来局者への説明として、適切なのはどれか。2つ選べ。

  1. 胃の弱い人でも安心して服用できる。
  2. インターフェロン製剤との併用は禁忌である。
  3. 頭痛や肩こりにも効果がある。
  4. 食前又は食間に服用する。

 

 

 

 

 

正解.
問306:1
問307:3, 4

 解 説     

問306

選択肢 1 はその通りの記述です。

薬局製剤は、薬剤師に、薬局において対面で販売させ、又は授与させなければなりません。(薬事法施行規則第十五条の五)よって、登録販売者ではだめなので、選択肢 2 は誤りです。

薬局製剤は、調剤室以外の場所に貯蔵し、又は陳列してはなりません。(薬事法施行規則第十五条の八)よって、調剤室には貯蔵してよいので、選択肢 3 は誤りです。

薬局製剤は、薬局製剤指針に適合する必要があります。成分又は分量を勝手に変更して製造販売することはできません。よって、選択肢 4 は誤りです。

薬局製剤を製造するには、製造業の許可が必要です。よって、選択肢 5 は誤りです。

以上より、正解は 1 です。

問307

葛根湯は、胃腸の虚弱な患者には、慎重投与する薬です。食欲不振、胃部不快感、悪心、嘔吐などがあらわれることがあります。よって、胃の弱い人でも安心して服用できるという説明は、適切ではありません。選択肢 1 は誤りです。

インターフェロンと併用禁忌の漢方は、小柴胡湯です。葛根湯は、インターフェロンと併用禁忌ではありません。よって、選択肢 2 は誤りです。

選択肢 3,4 はその通りの記述です。

以上より、正解は 3,4 です。

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