薬剤師国家試験 第97回 問254-255 過去問解説

 問 題     

45歳女性。婦人科外来にて、以下の薬剤が処方された。

問254

この処方の適応となる疾患又は症状として、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. 子宮内膜症
  2. 卵巣癌
  3. 閉経前乳癌
  4. 更年期障害
  5. 骨粗しょう症

問255

リュープロレリンの薬理作用として、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. アロマターゼ阻害による血中エストラジオールの濃度上昇
  2. 下垂体での性腺刺激ホルモンの産生能低下
  3. 下垂体の黄体形成ホルモン放出ホルモン(LH-RH)受容体持続刺激による受容体の脱感作
  4. 下垂体からのプロラクチンの遊離抑制
  5. 卵巣におけるエストラジオールの産生能亢進

 

 

 

 

 

正解.
問254:1, 3
問255:2, 3

 解 説     

問254

リュープロレリンは、脳の視床下部から放出される LH – RH (性腺刺激ホルモン放出ホルモン)の類似構造を持った薬です。LH-RH の働きを抑制します。その結果、性ホルモンの分泌を低下させます。

適応となるのは、子宮内膜症、子宮筋腫、前立腺がん、閉経前乳がんなどです。代表的な副作用として、エストロゲン(女性ホルモン)低下により、更年期障害様の症状があります。

以上より、正解は 1,3 です。

問255

リュープロレリンは、LH-RH ホルモン誘導体です。一時的な性腺刺激作用を示した後に、LH-RH ホルモン受容体の脱感作を引き起こします。その結果、下垂体での性腺刺激ホルモンの産生・放出を抑制する。

以上より、正解は 2,3 です。

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