薬剤師国家試験 第97回 問246-247 過去問解説

 問 題     

34歳女性。統合失調症が疑われて入院した。幻覚、妄想は処方1により軽減したが、乳汁分泌が生じた。血液検査の結果を確認した薬剤師の提案により処方2に変更となった。

問246

処方変更の根拠となった血液検査項目はどれか。1つ選べ。

  1. プロラクチン
  2. コルチゾール
  3. エストラジオール
  4. テストステロン
  5. アルドステロン

問247

処方1でリスペリドンが乳汁分泌を引き起こす作用機序として、正しいのはどれか。1つ選べ。

  1. ヒスタミンH1受容体遮断
  2. セロトニン5-HT1A受容体遮断
  3. アセチルコリンM2受容体刺激
  4. ドパミンD2受容体遮断
  5. アドレナリンα1受容体刺激

 

 

 

 

 

正解.
問246:1
問247:4

 解 説     

問246

統合失調症薬の使用において、乳汁分泌を伴う副作用は、高プロラクチン血症です。プロラクチンとは、脳の下垂体前葉から放出されるペプチドホルモンの 1 種です。

プロラクチンの分泌は、ドパミンによって抑制されます。統合失調症薬は、このドパミン受容体を遮断するため、プロラクチン分泌抑制作用が弱まることがあります。そのため、高プロラクチン血症がおきることがあります。

以上より、正解は 1 です。

問247

問246の解説と重複しますが、プロラクチンの分泌はドパミンによって抑制されます。統合失調症薬は、このドパミン受容体を遮断するため、プロラクチン分泌抑制作用が弱まることがあります。よって、作用機序は、ドパミン受容体遮断です。

以上より、正解は 4 です。

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