薬剤師国家試験 第97回 問232-233 過去問解説

 問 題     

保険薬局にて以下の処方せんを受け取った。

問232

この患者への指導として、適切でないのはどれか。1つ選べ。

  1. BMIの算出方法とその値が25以上を肥満と判定することを説明した。
  2. 継続できる有酸素運動を勧めた。
  3. 家庭での血圧測定の重要性について説明した。
  4. 患者の疾病が食生活や喫煙などの生活習慣と深く関わっていることを説明した。
  5. 毎日、空腹時血糖値を測ることを指導した。

問233

この処方から推定される疾患が基礎となって発症する代表的な生活習慣病はどれか。2つ選べ。

  1. 痛風
  2. 脳血管疾患
  3. 心疾患
  4. 悪性新生物
  5. 肺気腫

 

 

 

 

 

正解.
問232:5
問233:2, 3

 解 説     

問232

昭和 30 年生まれなので、50 代後半で、男性です。テルミサルタン(AT受容体拮抗薬であり、降圧薬)とプラバスタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬であり、脂質異常症薬)が出ていることから、高血圧及び脂質異常症と考えられます。

高血圧、及び脂質異常症は、共に心臓病や脳卒中の危険因子です。肥満の解消、運動の習慣化、食生活の改善などが求められます。又、血圧のコントロールが行われているかを知るために、家庭で血圧を測定することが重要です。

本問における患者に対して、毎日空腹時血糖値を測ることを指導する必要はないと考えられます。

以上より、正解は 5 です。

問233

テルミサルタンは、AT II 受容体拮抗薬です。降圧薬です。プラバスタチンナトリウムは、HMG-CoA 還元酵素阻害剤です。高脂血症治療薬です。これらの処方から推定される疾患は、高血圧、及び脂質異常症です。

これらの疾患が基礎となって発症する代表的な生活習慣病としては、脳血管疾患や、心疾患が挙げられます。

以上より、正解は 2,3 です。

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