問 題
56歳男性。35年間の喫煙歴があり、最近、息苦しいことが多いことから、禁煙相談のため薬局に来た。そこで、薬剤師が禁煙の重要性を説明することにした。
問230
薬剤師が、喫煙者に最も起こりやすい疾患として念頭におくべきものはどれか。1つ選べ。
- 慢性閉塞性肺疾患
- 狭心症
- 小細胞肺癌
- 非小細胞肺癌
- 食道癌
問231
喫煙に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- 2000年以降の日本人男性の喫煙率は、低下する傾向にある。
- 2000年以降の日本人女性の喫煙率は、上昇する傾向にある。
- 妊産婦の喫煙は、低出生体重児のリスクファクターである。
- タバコの煙に含まれるベンゾ[a]ピレンは、一次発癌物質である。
正解.
問230:1
問231:1, 3
解 説
問230
喫煙により起こりやすい疾患としては、呼吸器系の疾患がまず第一に挙げられます。すなわち、慢性気管支炎などの、慢性閉塞性肺疾患です。他にも、虚血性心疾患が起こりやすい疾患として挙げられます。肺がんや、食道がんも、喫煙者はリスクが高まる疾患です。
最も起こりやすい疾患として念頭におくべきものという設問なので、慢性閉塞性肺疾患が適切であると考えられます。
以上より、正解は 1 です。
問231
日本人の喫煙率に関しては、年々低下傾向にあります。平成22年の調査において、日本人の喫煙率は19.5%とのことです。男性は年々減少傾向、女性は変動なし~減少傾向です。よって、選択肢 2 は誤りです。
妊娠中の喫煙は、流産、早産の可能性を高めます。又、低体重児や、子宮内発育遅延の原因となることもあります。
一次発がん物質とは、物質が、直接発がん性を示す化学物質のことです。ベンゾピレンは、酵素反応を経て、発がん性を誘発させる物質となるため一次発がん物質ではありません。よって、選択肢 4 は誤りです。
以上より、正解は 1,3 です。
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