薬剤師国家試験 第97回 問186 過去問解説

 問 題     

70歳男性。1年前、交通事故後に痙れん発作を起こすようになったが、薬が処方され、発作は消失した。半年前より血圧が160/82mmHg前後で、本態性高血圧症と診断され、降圧薬が処方された。

現在、血圧は140/70mmHgと安定している。最近、歯ぐきの腫れが認められたため、かかりつけ薬局へ相談に行った。

現在、服用中の薬物は、下記のとおりである。薬剤師は薬の副作用を疑った。副作用の原因として考えられる薬物はどれか。2つ選べ。

  1. フェノバルビタール
  2. フェニトイン
  3. ニフェジピン
  4. カンデサルタンシレキセチル
  5. ヒドロクロロチアジド

 

 

 

 

 

正解.2, 3

 解 説     

歯肉肥大が副作用として知られている薬は大きく 2 種類の系統の薬です。1つは、抗けいれん薬であるフェニトインなどです。もう 1 つは、高血圧や狭心症の治療薬である、カルシウム拮抗薬(ニフェジピン、ジルチアゼムなど)です。よって、選択肢の中で原因と考えられるのは、フェニトインとニフェジピンです。

ちなみに、フェノバルビタールは、抗てんかん薬です。
カンデサルタンシレキセチルは、アンギオテンシン II 受容体拮抗薬です。
ヒドロクロロチアジドは、利尿薬です。

以上より、正解は 2,3 です。

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