薬剤師国家試験 第97回 問158 過去問解説

 問 題     

循環器系作用薬に関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。

  1. アメジニウムは、交感神経終末へのノルアドレナリン再取り込みと不活性化を阻害し、昇圧作用を示す。
  2. シルデナフィルは、サイクリックGMP(cGMP)の分解を抑制し、勃起障害と肺動脈性肺高血圧症を改善する。
  3. ベラプロストは、末梢血管拡張及び血小板凝集抑制により、末梢循環障害を改善する。
  4. ボセンタンは、エンドセリン受容体を遮断し、肺動脈性肺高血圧症を改善する。
  5. ファスジルは、アドレナリンβ2受容体を活性化し、クモ膜下出血後の脳血管れん縮を抑制する。

 

 

 

 

 

正解.5

 解 説     

アメジニウムは、交感神経終末のノルアドレナリン再取り込み阻害作用や MAO 阻害作用により、交感神経機能を亢進させます。低血圧に用いられる薬です。

シルデナフィルは、ホスホジエステラーゼ(PDE)5を阻害し、cGMPの分解を抑制することで勃起障害、及び肺動脈性高血圧症に用いられる薬です。

ベラプロストは、プロスタサイクリン受容体を刺激し、アデニル酸シクラーゼを活性化することで細胞内 cAMP 濃度上昇をもたらし、血管拡張作用、血小板凝集抑制作用などを示す薬です。血行障害の治療に用いられます。

ボセンタンは、エンドセリン受容体拮抗薬です。肺高血圧症の治療薬として用いられます。

ファスジルは、Rhoキナーゼという酵素を抑制し、血管を広げる作用があります。くも膜下出血後の脳血管れん縮及び、これに伴う脳虚血症状の改善に用いられます。よって、β2 受容体を活性化するわけではないので、選択肢 5 は誤りです。

以上より、誤っているのは選択肢 5 です。

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