薬剤師国家試験 第97回 問152 過去問解説

 問 題     

交感神経系に作用する薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. ナファゾリンは、アドレナリンβ2受容体を刺激し、鼻粘膜血管を拡張させる。
  2. エフェドリンは、アドレナリンβ受容体刺激作用及び交感神経節後線維終末からのノルアドレナリン遊離促進作用を示す。
  3. クロニジンは、交感神経節後線維終末のアドレナリンα2受容体を刺激し、ノルアドレナリン遊離を促進する。
  4. ラベタロールは、アドレナリンβ1受容体を選択的に遮断し、血圧を低下させる。
  5. ブナゾシンは、アドレナリンα1受容体を選択的に遮断し、眼圧を低下させる。

 

 

 

 

 

正解.2, 5

 解 説     

ナファゾリンは、α1 受容体刺激薬です。血管収縮薬として点鼻で用いられ、鼻づまりの改善に用いられます。よって、選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2 はその通りの記述です。
エフェドリンは、生薬であるマオウに含まれる有効成分です。医薬品としては、風邪やぜん息の治療薬に添加されます。又、覚せい剤原料物質です。

クロニジンは、選択的 α2 受容体アゴニストです。α2 受容体を刺激し、ノルアドレナリンの分泌を抑制します。よって、遊離を促進するわけではないので、選択肢 3 は誤りです。血圧を下げる薬として用いられてきた薬です。最近は処方されることが少なくなってきています。(2012年時点)

ラベタロールは、α、β遮断薬です。よって、β1 受容体を選択的に遮断させるわけではないので選択肢 4 は誤りです。血圧を下げる薬として用いられます。

選択肢 5 はその通りの記述です。
点眼で用いられ、緑内障治療に用いられます。

以上より、正解は 2,5 です。

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