問 題
下図に示すヒトのバソプレシンに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- 下垂体前葉から分泌されるホルモンである。
- 腎臓に作用して水の再吸収を促進する。
- エドマン(Edman)分解を行うと、最初にグリシン残基が切断される。
- カルボキシ末端のアミノ酸残基は、翻訳後修飾を受けている。
- 塩基性アミノ酸は含まれていない。
正解.2, 4
解 説
バソプレシンは、脳下垂体後葉から分泌されるホルモンです。よって、前葉ではないので、選択肢 1 は誤りです。
選択肢 2 はその通りの記述です。
バソプレシンは、抗利尿ホルモンとも呼ばれ、再吸収を促進させることで利尿を抑制する働きを持ちます。
エドマン分解とは、タンパク質の代表的な分解法の 1 つです。N 末端(-NH2 がついている方)からアミノ酸残基を切断する反応です。そのため、最初に切断されるのは Cys、つまりシステインです。よって、グリシンではないので、選択肢 3 は誤りです。
選択肢 4 はその通りの記述です。
カルボキシ末端のアミノ酸残基とは、Gly、つまりグリシンのことですが、カルボキシル基(COOH)が CONH2 となっており、アミド化されています。よって、翻訳後修飾を受けていると考えられます。
塩基性アミノ酸とは、リシン、ヒスチジン、アルギニン、トリプトファンです。Arg、つまりアルギニンが含まれているため、塩基性アミノ酸は含まれています。よって、選択肢 5 は誤りです。
以上より、正解は 2,4 です。
参考) 生化学 4-3 1)
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