薬剤師国家試験 第97回 問111 過去問解説

 問 題     

中枢神経系に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. 随意運動に関与する一次運動野は、大脳皮質の頭頂葉に存在する。
  2. 大脳辺縁系は系統発生的に古い皮質であり、本能や情動及び記憶に関与する。
  3. 線条体は被殻と淡蒼球からなり、錐体外路系に関与する。
  4. 間脳の視床には、自律神経系の高位中枢が存在する。
  5. 中枢神経系に分布する血管の血液脳関門では、物質の透過性が制限されている。

 

 

 

 

 

正解.2, 5

 解 説     

一次運動野が存在するのは、大脳皮質の前頭葉です。よって、選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2 は、その通りの記述です。
大脳の周りが大脳辺縁系と呼ばれ、海馬、扁桃核などが存在します。海馬、扁桃核は、記憶の形成等に関与する部分です。

線条体は、被殻と尾状核を合わせた呼び名です。被殻と淡蒼球は、合わせてレンズ核と呼ばれます。よって、選択肢 3 は誤りです。

自律神経の高位中枢は、視床下部です。視床ではないため、選択肢 4 は誤りです。

選択肢 5 は、その通りの記述です。
BBB(blood brain barrier 血液脳関門)により物質の透過性が制限されています。脂溶性の物質ほど BBB を通過しやすいという傾向が見られます。又、トランスポータを介した物質の取り入れ、排出系が発達しています。

以上より、正解は 2,5 です。

参考) 生化学まとめ 中枢神経系

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