薬剤師国家試験 第111回 問326 過去問解説

 問 題     

60 歳女性。白金製剤を含む化学療法治療後に増悪した再発卵巣がんに対し、ドキソルビシン塩酸塩を MPEG-DSPE(注) 修飾リポソームに封入した注射剤(ドキシル注)による治療を検討することになった。

注:N-(Carbonyl-methoxypolyethylene glycol 2000)-1,2-distearoyl-sn-glycero-3-phosphoethanolamine sodium salt

治療導入前のカンファレンスにおいて薬剤師が情報提供する内容として、適切なのはどれか。 2 つ選べ。

  1. 本剤は、従来のドキソルビシン塩酸塩製剤の代替として使用しない。
  2. 添加剤に大豆由来の成分が含まれるので、大豆アレルギーがないことを患者に確認した。
  3. インフュージョンリアクションを軽減するためにリポソーム化した製剤である。
  4. 高度催吐リスクのため、デキサメタゾン、セロトニン 5-HT3 受容体遮断薬及びタキキニン NK1 受容体遮断薬の 3 剤を前投与する。
  5. 投与中に血管外漏出が見られたときは、漏出部位と同一静脈から再度点滴を再開する。

 

 

 

 

 

正解.1, 2

 解 説     

選択肢 1 は妥当です。
ドキシル注は従来のドキソルビシン塩酸塩製剤と薬物動態や安全性が異なります。そのため、代替として使用するものではありません。

選択肢 2 は妥当です。
ドキシルで注意しなければいけないのは「大豆」アレルギーです。大豆由来の成分が含まれています。

選択肢 3 ですが
インフュージョンリアクションとは、薬剤投与中~投与開始後 24 時間以内に現れる症状の総称です。アレルギー様症状、発熱・炎症などです。リポソーム化は腫瘍組織への選択的集積 (EPR 効果)を高める目的で行われています。インフュージョンリアクションを軽減するためではありません。選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 ですが
ドキシルの催吐リスクは軽度です。「高度催吐リスク」ではありません。選択肢 4 は誤りです。

選択肢 5 ですが
血管外漏出が疑われた場合は直ちに点滴を中止し、残存薬液を吸引した後に抜針します。その後に 別の静脈から 再開します。「漏出部位と同一静脈から」ではありません。選択肢 5 は誤りです。


以上より、正解は 1,2 です。

類題 105-282283
https://yaku-tik.com/yakugaku/105-282/

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