薬剤師国家試験 第110回 問104 過去問解説

 問 題     

下図は、DNA の二重らせん構造の一部で、2 本のポリヌクレオチド鎖間で形成される相補的塩基対を示している。以下の記述のうち、適切なのはどれか。2 つ選べ。

  1. 塩基 ア のヘテロ環はピラジン環である。
  2. 塩基 イ はウリジンである。
  3. 矢印 A はポリヌクレオチド鎖 ウ の 3ʼ → 5ʼ 末端の方向を指す。
  4. 酸素原子 エ は水素結合受容体として機能する。
  5. 塩基 ア と塩基 イ の相補的塩基対は、平面状に形成される。

 

 

 

 

 

正解.4, 5

 解 説     

選択肢 1 ですが
ベンゼンの 1,4 位の C が N に置換したのが「ピラジン環」です。塩基 ア のヘテロ環は、ベンゼンの 1,3 位の C が N に置換しています。これは「ピリミジン環」です。選択肢 1 は誤りです。


選択肢 2 ですが

DNA なので、塩基は A,T,G,C (アデニン、チミン、グアニン、シトシン) のどれかです。選択肢 2 は誤りです。

また「ウリジン」は「リボース(糖)とウラシル(塩基)が結合したヌクレオシド」を意味する用語です。イ は塩基部分のみを示しているため、明らかに誤りと判断してもかまいません。


選択肢 3 ですが

矢印 A は 5′ → 3′ 方向です。見分け方ですが、糖の 5 員環に注目します。糖の 5 員環から直接 O に結合している炭素があるはずです。こちらが 3′ 側です。その逆に伸びている方が 5′ 側です。


以上より、正解は 4,5 です。

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