薬剤師国家試験 第110回 問34 過去問解説

 問 題     

細胞内サイクリック GMP (cGMP) 濃度上昇作用及び Kチャネル開口作用を併せ持つ狭心症治療薬はどれか。1 つ選べ。

  1. ニコランジル
  2. ベラパミル
  3. ジルチアゼム
  4. 硝酸イソソルビド
  5. アテノロール

 

 

 

 

 

正解.1

 解 説     

選択肢 1 は妥当です。
ニコランジルは、硝酸薬です。硝酸薬を服用すると、体内でNO(一酸化窒素)が遊離されます。NO は、血管平滑筋のグアニル酸シクラーゼを活性化します。その結果 GTP からの cGMP 生成が促進されます。また、ニコランジルは、ATP 感受性 K チャネルを開口することで冠動脈を拡張させます。

選択肢 2,3 ですが
ベラパミル 及び ジルチアゼムは、Ca チャネル阻害薬です。cGMP 濃度上昇作用及び K チャネル開口作用を併せ持つ狭心症治療薬 ではありません。選択肢 2,3 は誤りです。

選択肢 4 ですが
硝酸イソソルビドは、硝酸薬です。cGMP 濃度上昇作用は有するのですが、K チャネル開口作用を併せ持つ狭心症治療薬 ではありません。選択肢 4 は誤りです。

選択肢 5 ですが
アテノロールは、選択的 β1 遮断薬です。cGMP 濃度上昇作用及び K チャネル開口作用を併せ持つ狭心症治療薬 ではありません。選択肢 5 は誤りです。


以上より、正解は 1 です。

類題 107-33
https://yaku-tik.com/yakugaku/107-033/

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