薬剤師国家試験 第110回 問5 過去問解説

 問 題     

溶媒中で解離しない薬物 X を 50 mmol 含む水溶液 100 mL に酢酸エチルを加えて振とう、静置したところ、二液相に分相し、酢酸エチル相中の X は 45 mmol であった。X の分配係数 (酢酸エチル相中の濃度/水相中の濃度) を 18 とすると、酢酸エチル相の体積はどれか。1 つ選べ。

ただし、分配に用いる溶媒は互いの溶媒で飽和されており、水相の体積は 100 mL とする。

  1. 50 mL
  2. 100 mL
  3. 150 mL
  4. 200 mL
  5. 250 mL

 

 

 

 

 

正解.1

 解 説     

問題文の操作をまとめると、上図の通りです。もともと X 50mmol なので、酢酸エチル加えて振とう後静置した際、水相に残っている X は 50 mmol - 45 mmol = 5 mmol です。

X の分配係数が 18 とは、同じ量の水と酢酸エチルであれば 薬物 X が 18:1 で 酢酸エチル相と水相に分配される、ということです

操作を終えて X は「酢酸エチル相に 45 mmol、水相に 5 mmol」 あるので、9:1 に分配されています。

つまり本問は「酢酸エチル 100 mL、水 100 mL」 であれば、物質 X は 18:1 に分配される。さて「酢酸エチル ? mL、水 100 mL」 の時に、物質 X は 9:1 に分配されるでしょうか?という問題と読み替えることができます。

酢酸エチルの量と 分配される X の量は比例すると考えられます。従って、酢酸エチルの量は 100 mL の半分、つまり 100 ÷ 2 = 50 mL です。


以上より、正解は 1 です。

参考 分配平衡
https://yaku-tik.com/yakugaku/bs-1-2-5/

類題 103-2
https://yaku-tik.com/yakugaku/103-002/

 

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