薬剤師国家試験 第109回 問324-325 過去問解説

 問 題     

21 歳男性。スポーツ競技者。花粉症による鼻炎症状がつらく、練習に影響するので自分で何か良いものはないかと調べたところ、ある健康食品が良いとインターネット上で評判になっていることを知り、当該健康食品について相談するため薬局を訪れた。

この競技者から、ドーピング禁止物質(注) は摂取できないという申し出があり、薬剤師が対応した。

(注) ドーピング禁止物質:世界アンチ・ドーピング機構が定める禁止表に記載されている物質

問324

この薬局では、この健康食品以外にも複数の健康食品を取り扱っており、店舗内での健康食品の広告を検討している。次のうち、医薬品的な効果に該当せず、医薬品でなくても広告が可能なのはどれか。1 つ選べ。

  1. がんの治癒
  2. 花粉症の予防
  3. 健康維持
  4. 細胞の活性化
  5. 肝機能の向上

問325

この競技者から症状を詳しく聴取したところ、一般用医薬品で対応したほうがよいと判断された。鼻炎に効果がある一般用医薬品のうち、ドーピング禁止物質を含む医薬品はどれか。2 つ選べ。

 

 

 

 

 

正解.
問324:3
問325:2, 5

 解 説     

問324

選択肢 1,2 は医薬品でなければいけないと判断できると思われます。また、選択肢 5 も、例えば ウルソなどを連想すれば医薬品的な効果に該当すると判断できたのではないでしょうか。おそらく判断に悩むのが「健康の維持」と「細胞の活性化」と思われます。

本試験での考え方としては、あいまいな方を選んでおけばよい というぐらいでなんとなく 3 を選べればよいです。ちなみに事例として、化粧品の広告において「肌細胞の活性化」といった ◯◯ 細胞の活性化は NG 表現です。


以上より、問 324 の正解は 3 です。

問325

漢方薬について、アンチ・ドーピングで注意すべき成分は麻黄 (マオウ) です。麻黄に含まれるエフェドリンが禁止薬物です。そして、エフェドリンが禁止であれば、類似薬のプソイドエフェドリンも禁止と判断できると思われます。


以上より、問 325 の正解は 2,5 です。

類題 105-214215
https://yaku-tik.com/yakugaku/105-214/

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