薬剤師国家試験 第109回 問194 過去問解説

 問 題     

ある疾患の予防薬である新薬 X の評価を行うために調査を行ったところ、プラセボ対照無作為化二重盲検比較試験のデータが得られ、新薬 X の有効性が示されていた (下表)。

この結果から算出できる新薬 X の治療必要数 (NNT) が 20 であるとき、表の (A) に入る数値として適切なのはどれか。1 つ選べ。

  1. 10
  2. 20
  3. 30
  4. 40
  5. 50

 

 

 

 

 

正解.4

 解 説     

【NNT の基礎知識】
NNT  (number needed to treat) とは、治療効果を得るのに必要な、治療必要数です。絶対リスク減少率の逆数で定義されます。

例として、プラセボで 60 %有効、実薬で 80 %有効な薬があるとします。すると 20 %有効率が改善しています (20%、絶対リスクが減少) 。これは1人の患者に、プラセボよりも有効になるまで、治療必要数が5人必要ということです。つまり、NNT は5となります。(5人にプラセボ→3人に有効、5人に実薬→4人に有効 ということです)


選択肢 1 が正解と仮定します。

絶対リスクがもともと 80/800 だったものが、10/800 になるので、絶対リスクが 70/800 減少しています。この逆数が NNT なので、NNT = 800/70 です。20 になりません。選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2 が正解と仮定します。
絶対リスクがもともと 80/800 だったものが、20/800 になるので、絶対リスクが 60/800 減少しています。この逆数が NNT なので、NNT = 800/60 です。20 になりません。選択肢 2 は誤りです。

選択肢 3 が正解と仮定します。
絶対リスクがもともと 80/800 だったものが、30/800 になるので、絶対リスクが 50/800 減少しています。この逆数が NNT なので、NNT = 800/50 です。20 になりません。選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 が正解と仮定します。
絶対リスクがもともと 80/800 だったものが、40/800 になるので、絶対リスクが 40/800 減少しています。この逆数が NNT なので、NNT = 800/40 = 20 です。適切です。


以上より、正解は 4 です。

類題 107-150
https://yaku-tik.com/yakugaku/107-150/

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