問 題
再生不良性貧血に関する記述のうち、正しいのはどれか。2 つ選べ。
- 血清鉄が増加する。
- 不飽和鉄結合能が増大する。
- 小球性低色素性貧血に分類される。
- エリスロポエチン産生が亢進する。
- 血小板数は変化しない。
解 説
再生不良性貧血とは、造血幹細胞の減少により、赤血球、白血球、血小板といった血球が減少する疾患です。先天性と後天性に分類されます。治療には、タンパク同化ステロイドや、G-CSF、シクロスポリンなどが用いられます。
選択肢 1,2 について
選択肢 1 は妥当です。選択肢 2 は誤りです。血球の大元である造血幹細胞が減少するため、赤血球の材料である鉄の利用が行われません。このため血清鉄は増加します。
血清鉄が増加すれば、鉄と結合していないトランスフェリンは過剰な鉄と結合します。つまり、鉄と未結合のトランスフェリンが減ります。不飽和鉄結合能とは「鉄と結合していないトランスフェリン」と鉄の結合能です。従って、不飽和鉄結合能は減少します。
選択肢 3 ですが
低色素性貧血は、ヘモグロビンが十分につくられていない状態に起因する貧血です。低色素性貧血の代表例は、鉄欠乏性貧血です。再生不良性貧血は、低色素性貧血ではありません。選択肢 3 は誤りです。
選択肢 4 は妥当です。
赤血球を作ろうとするので、エリスロポエチン産生は亢進します。しかし赤血球の大元の造血幹細胞がないので、赤血球は増加しません。シフトの人員 (赤血球のたとえ) が足りず応援を頼もうと電話やメール (エリスロポエチン のたとえ) を送りまくっているイメージです。
選択肢 5 ですが
赤血球、白血球、血小板といった血球が減少します。「血小板数は変化しない」わけではありません。選択肢 5 は誤りです。
以上より、正解は 1,4 です。
参考 貧血の病態生理、治療薬、注意点
https://yaku-tik.com/yakugaku/bt-2-3-2/
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