薬剤師国家試験 第109回 問138 過去問解説

 問 題     

水質汚濁に係る環境基準に関する記述のうち、正しいのはどれか。2 つ選べ。

  1. 水質汚濁防止法に基づいて、定められている。
  2. 水中の有機物量の指標として、河川では化学的酸素要求量 (COD)、湖沼及び海域では生物化学的酸素要求量 (BOD) が採用されている。
  3. 底層を利用する水生生物の個体群を維持できる場を保全・再生する目的で、湖沼及び海域において底層溶存酸素量の基準値が定められている。
  4. 地下水には、「生活環境の保全に関する環境基準」が定められている。
  5. 公共用水域には、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸及びその塩の「生活環境の保全に関する環境基準」が定められている。

 

 

 

 

 

正解.3, 5

 解 説     

選択肢 1 ですが
環境基本法第 16 条 (以下、第 1 項を引用) に基づいて定められています。水質汚濁防止法ではありません。選択肢 1 は誤りです。

>政府は、大気の汚染、水質の汚濁、土壌の汚染及び騒音に係る環境上の条件について、それぞれ、人の健康を保護し、及び生活環境を保全する上で維持されることが望ましい基準を定めるものとする


選択肢 2 ですが

水域は、河川、湖沼、海域の 3 つに分類できます。河川オンリーの指標が「BOD」です。選択肢 2 は誤りです。


選択肢 3 は妥当です。

H28.3 (2016.3) 月に、底層を利用する水生生物に関する基準値として、底層溶存酸素量の基準値が設定されました。対象となる生物の具体例は、ワカサギやニホンウナギなどです。


選択肢 4 ですが

「人の健康の保護」に関する基準が定められています。「生活環境の保全」に関する基準ではありません。選択肢 4 は誤りです。


選択肢 5 は妥当です。

公共用水域における、生活環境保全に関する基準についての記述です。


以上より、正解は 3,5 です。

類題 107-24
https://yaku-tik.com/yakugaku/107-024/

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