薬剤師国家試験 第109回 問95 過去問解説

 問 題     

図はある蛍光物質の励起スペクトルと蛍光スペクトルである。

この励起スペクトルの極大波長 (励起波長) が λ1、蛍光スペクトルの極大波長 (蛍光波長) が λ2 であるとすると、この蛍光物質の励起波長の光のエネルギーと蛍光波長の光のエネルギーとの間のエネルギー差を求める式はどれか。1 つ選べ。

ただし、プランク定数は h、光速度は c とする。

 

 

 

 

 

正解.1

 解 説     

【解法1】
プランクの式:E = hν = hc/λ が、この分野の基礎知識です。(薬剤師国家試験では頻出ではありません、そのため、この知識をおさえてなかった人が多いと思われます。)

波長が小さい方がエネルギーは大きいので hc/λ2 から hc/λ1 を引けばエネルギーの差がわかります。hc(1/λ2 ー 1/λ1) です。分母を通分して形を合わせると、正解は 1 です。


【解法2:プランクの式を知らなかった人の推測法】
プランク定数は、約 6.6 × 10-34 です。光子の持つ、とびとびの(量子的)エネルギーの値を定義づける比例定数です。「すごく小さい、量子とかの話で出てくる数!」です。(参考 101-5 https://yaku-tik.com/yakugaku/101-005/ )

比例定数なので、エネルギーは プランク定数の何倍かで表されます。すると、エネルギー差もプランク定数の何倍かです。つまり、h は分子です。正解は 1 or 2 です。


また、c は光速度なのでとても大きい数です。とても大きい数が分母だと、プランク定数がすごく小さい数で、さらにそれを とても大きい数で割ることになります。するともうとんでもなく小さすぎる数になってしまうと考えられるため、とても大きい数である c は分母が妥当です。


以上より、正解は 1 です。

類題 国家総合職 R4 no25
https://yaku-tik.com/yakugaku/km-r4-25/

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