薬剤師国家試験 第109回 問91 過去問解説

 問 題     

分子間相互作用に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. クーロン力は電荷間距離の2乗に反比例する。
  2. 分散力は分子間にはたらく反発力である。
  3. 水中における界面活性剤のミセル形成はイオン結合による。
  4. 疎水性相互作用は水溶液中のタンパク質の高次構造の形成及び安定化に寄与している。
  5. 核酸塩基対は配位結合により形成される。

 

 

 

 

 

正解.1, 4

 解 説     

選択肢 1,4 を正しく判断したい問題です。


選択肢 1 は妥当です。

クーロン力について F = kQ1Q2/r2 と表されます。クーロンの法則です。


選択肢 2 ですが

分散力は、無極性分子において、電子分布の揺らぎに伴う、一時的な電気双極子間の相互作用により生じる力です。例としては、He 原子間における相互作用が挙げられます。双極子なので「引力」です。反発力ではありません。選択肢 2 は誤りです。


選択肢 3 ですが

ミセル形成は疎水性相互作用によります。「イオン結合」ではありません。選択肢 3 は誤りです。


選択肢 4 は妥当です。
疎水性相互作用に関する記述です。


選択肢 5 ですが
核酸とは、DNA や RNA のことです。核酸は「糖+リン酸+塩基」で構成されます。DNA であれば塩基は A,T,G,C の 4 つです。A と T、G と C の間に水素結合が形成されて塩基対を形成します。「配位結合により形成」ではありません。選択肢 5 は誤りです。


以上より、正解は 1,4 です。

参考 分子間相互作用
https://yaku-tik.com/yakugaku/bk-1-2-1/

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