問 題
30 歳男性。喫煙歴 10 年。1 週間前から禁煙を決意し、自分でたばこをやめてみた。しかし、このまま禁煙が続けられるのか不安があり、薬局を訪れて薬剤師に相談した。
- 男性:禁煙に関して相談してもよろしいですか。
- 薬剤師:なんでもどうぞ。
- 男性:実は、1 週間前にたばこをやめてから、ここ数日イライラしてしまって、禁煙をこのまま続けられるか不安です。
- 薬剤師:1 週間禁煙は続けられたけれども、これからも続けられるのか不安なのですね。
問316
禁煙支援では行動変容のステージに合わせて支援することが重要である。この男性の行動変容のステージに対する薬剤師の働きかけとして、適切なのはどれか。1 つ選べ。
- 無関心期 (前熟考期) なので喫煙による問題に気づくよう支援し、禁煙への関心を高める。
- 関心期 (熟考期) なので禁煙に関心を持ちだしたことを評価する。
- 準備期なので禁煙行動実施の宣言をしてもらう。
- 実行期なので禁煙が継続できていることに焦点を当てて行動を強化する。
- 維持期なので自己効力感を高めるために禁煙が持続できている秘訣を話してもらう。
問317
この男性と以下のやり取りをした後の、薬剤師の説明内容として正しいのはどれか。2 つ選べ。
- 男性:もし今後、禁煙が続かなくなりそうになったら、禁煙補助薬を使うことも考えてみたいのですが、どのような禁煙補助薬が薬局で買えるのか教えてください。
- 薬剤師:はい。一般用医薬品の禁煙補助薬の特長や種類についてご説明します。
- 男性:はい、参考にします。
- ニコチン製剤はニコチン離脱症状をやわらげることが期待できます。
- ニコチンパッチ製剤を使用しながら段階的に喫煙本数を減らすことができます。
- ニコチンパッチ製剤は、複数枚貼ることができるので、量を調節しやすいです。
- ニコチンガム製剤とニコチンパッチ製剤を同時に使用することはできません。
- 現在、一般用医薬品として販売されている禁煙補助剤はニコチン製剤とバレニクリン製剤があります。
正解.
問316:4
問317:1, 4
解 説
問316
行動変容ステージモデルとは、人が行動を変える場合に5つのステージを通る というモデルです。本問の男性は、行動を始めています。行動を変えて6ヶ月未満を実行期、6ヶ月以降を維持期といいます。1周間前からの行動なので、実行期です。
以上より、問 316 の正解は 4 です。
問317
選択肢 1 は妥当です。
選択肢 2 ですが
ニコチンパッチ使用中は、循環器系への副作用のおそれがあり喫煙してはいけません。選択肢 2 は誤りです。
選択肢 3 ですが
ニコチンパッチ製剤は、1日1回1枚貼って使用します。複数枚貼ることはできません。選択肢 3 は誤りです。
選択肢 4 は妥当です。
ニコチンガム製剤とニコチンパッチ製剤の併用は不可です。
選択肢 5 ですが
バレニクリン製剤は、ニコチン受容体の部分刺激薬です。医療用医薬品(処方箋医薬品)です。一般用医薬品ではありません。選択肢 5 は誤りです。
以上より、問 317 の正解は 1,4 です。
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