問 題
40 歳男性。市販の咳止め薬の購入のため薬局を訪れた。男性は 4 つの製品のそれぞれの特徴について薬剤師に説明を求めた。
問312
薬剤師の説明として、適切なのはどれか。2 つ選べ。
- 製品 A は、下痢症状があらわれることがあります。
- 製品 B は、2 つの去痰成分を含んでおり、痰により引き起こされる咳症状に有効です。
- 製品 C は、胃の粘膜を保護する成分も含んでいます。
- 製品 C は、動悸があらわれることがあります。
- 製品 D は、解熱鎮痛成分も含んでいます。
問313
この男性の症状やこれまでの製品の使用経験などから、製品 D の鎮咳去痰薬を販売することとなった。製品 D に関する記述として、適切なのはどれか。2 つ選べ。
- 購入者が、他の店舗等から濫用等のおそれのある医薬品を購入していないか確認する必要がある。
- 特定販売ができない製品である。
- 販売者は、薬剤師に限られる。
- 原則として一人一包装単位での販売となる。
- 購入者は、使用期限が過ぎた残薬を、購入した薬局に返却する必要がある。
正解.
問312:2, 4
問313:1, 4
解 説
問312
選択肢 1 ですが
製品 A の成分であるデキストロメトルファンは、商品名 メジコンの方がイメージがわくと思います。非麻薬性中枢性鎮咳薬です。特に下痢症状は知られていません。選択肢 1 は誤りです。
選択肢 2 は妥当です。
製品 B の成分について、カルボシステインは、商品名ムコダインの方がわかりやすいかもしれません。ブロムヘキシンについては、アンブロキソールが活性代謝物で、肺サーファクタントの分泌促進を思い出したい物質です。共に去痰成分です。
選択肢 3,4 ですが
製品 C の成分について、ジプロフィリンは、ホスホジエステラーゼを阻害してサイクリック AMP (cAMP) 濃度を増加させることで、気管支平滑筋を弛緩させます。メチルエフェドリンは、気管支拡張を期待して用いるアドレナリン作動薬です。ノスカピンは、非麻薬性中枢性鎮咳薬です。ジフェンヒドラミンは、第一世代 H1 受容体遮断薬です。くしゃみ、鼻水などを抑える効果が期待されます。
胃粘膜保護成分は含まれていません。また、メチルエフェドリンの副作用として、動悸が現れることがあります。
従って、選択肢 3 は誤りです。選択肢 4 は妥当です。
選択肢 5 ですが
ジヒドロコデインリン酸は、咳止めとして用いられます。グアイフェネシンは、非麻薬性中枢性鎮咳薬です。クロルフェニラミンマレイン酸は、第一世代 H1 受容体遮断薬です。くしゃみ、鼻水などを抑える効果が期待されます。無水カフェインは、眠気防止のために入っています。解熱鎮痛成分は含まれていません。選択肢 5 は誤りです。
以上より、問 312 の正解は 2,4 です。
問313
選択肢 1 は妥当です。
鎮咳薬かつジヒドロコデインを含むため、濫用等のおそれのある一般用医薬品の適正使用に向けた取組として、必要です。
選択肢 2 ですが
特定販売とは、いわゆるインターネット販売などのことです。指定第2類なので、できます。ちなみに、特定販売できないのは、要指導医薬品です。
選択肢 3 ですが
区分は指定第2類なので、薬剤師及び登録販売者が販売できます。選択肢 3 は誤りです。
選択肢 4 は妥当です。
選択肢 5 ですが
残薬返却義務は、特にありません。選択肢 5 は誤りです。
以上より、問 313 の正解は 1,4 です。
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