問 題
造血幹細胞移植時における移植片対宿主病 (GVHD) に関する記述として、正しいのはどれか。2 つ選べ。
- 移植後 1 週間以内に好発する。
- 予防として、移植前から免疫抑制薬の投与を開始する。
- 自家移植に比べ、同種移植では発症のリスクが低い。
- ドナー由来のリンパ球が、レシピエントの組織を攻撃して起こる疾患である。
- 発症を予防するために、移植する造血幹細胞に対して放射線照射を行う。
正解.2, 4
解 説
選択肢 1 ですが
造血幹細胞移植時における移植片対宿主病(GVDH:graft versus host disease)は、急性のものは移植後1~2週、遅いものでは、4 ヶ月以降に発症します。(98-191 造血幹細胞移植時における移植片対宿主病(GVHD))。よって、選択肢 1 は誤りです。
選択肢 2 は妥当です。
選択肢 3 ですが
自家移植とは、自己の組織(本問の場合は造血幹細胞)を、自分自身に移植することです。同種移植とは、他者の、種類が同じ組織(本問の場合は造血幹細胞)の移植です。自家移植の方が、移植されるものが自己由来であるため、拒絶反応はおきづらいと考えられます。選択肢 3 は誤りです。
選択肢 4 は妥当です。
GVDH についての記述です。
選択肢 5 ですが
放射線照射は、輸血における GVDH を避けるために行う処理です。造血幹細胞移植時は、造血幹細胞が死滅してしまうため、放射線照射は行いません。選択肢 5 は誤りです。
参考 病態・薬物治療学まとめ 移植に関連した病態生理、治療薬、注意点
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