薬剤師国家試験 第108回 問181 過去問解説

 問 題     

日本薬局方一般試験法に関する記述として、正しいのはどれか。2 つ選べ。

  1. 吸入剤の空気力学的粒度測定法では、吸入剤から噴霧、放出される薬物量の均一性を定量的に評価する。
  2. 展延性試験法では、スプレッドメーター (平行板粘度計) を用いて、半固形製剤の流動性 (流れやすさ) を測定する。
  3. ローリングボールタック試験法では、皮膚に適用する製剤からの薬物の放出性を評価する。
  4. 溶出試験法は、経口製剤の溶出試験規格への適合を判定するとともに、著しい生物学的非同等性を防ぐことを目的とする。
  5. 点眼剤の不溶性異物検査法では、点眼剤中の不溶性異物の大きさと数を測定する。

 

 

 

 

 

正解.2, 4

 解 説     

選択肢 1 ですが
吸入剤の「送達量均一性試験法」についての記述です。(105-183 粒子が関係する日本薬局方一般試験法)。空気力学的粒度測定法は、吸入剤から生成するエアゾールの微粒子特性を評価する方法です。選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2 は妥当です。

選択肢 3 ですが
「タック」とは、べたつきといった意味合いです。ローリングボールタック試験は、貼付剤に対してボールを転がして、どれくらいの距離でくっつくかを測定することで「粘着性」を評価します。「薬物の放出性」を評価する試験ではありません。選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 は妥当です。

選択肢 5 ですが
不溶性微粒子試験法との混同を狙った選択肢と考えられます。しっかり判断したい内容です。不溶性「微粒子」試験法は、点眼剤中の不溶性微粒子の大きさ及び数を試験する方法です。(105-183 粒子が関係する日本薬局方一般試験法)。一方、不溶性「異物」検査法では、不溶性異物の有無を調べる検査法です。肉眼で観察し、たやすく検出されるような異物が含まれているかどうかを確認します。選択肢 5 は誤りです。

以上より、正解は 2,4 です。

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