薬剤師国家試験 第108回 問166 過去問解説

 問 題     

A ~ C の構造を有する薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2 つ選べ。

  1. 薬物 A は、30S リボソームサブユニットに作用することで、タンパク質合成を阻害する。
  2. 薬物 B は、ペニシリン結合タンパク質のトランスペプチダーゼを活性化することで、細胞壁合成を抑制する。
  3. 薬物 C は、DNA ジャイレースを阻害することで、DNA の複製を阻害する。
  4. 薬物 A と C は、薬物不活性化酵素の誘導によりアセチル化やリン酸化を受けることで、抗菌活性が減弱する。
  5. 薬物 B は、細菌が産生する β – ラクタマーゼにより開裂することで、抗菌活性が減弱する。

 

 

 

 

 

正解.1, 5

 解 説     

A はテトラサイクリン
B はベンジルペニシリン
C はエリスロマイシンです。

A は判断したい、B は β – ラクタムとわかりたい、C は 14 員環マクロライドであることからエリスロマイシンと読み取りたい構造です。

 

選択肢 1 は妥当です。
テトラサイクリンの作用機序です。

選択肢 2 ですが
B は β ー ラクタム系なので、トランスペプチダーゼを「阻害」します。活性化ではありません。選択肢 2 は誤りです。

選択肢 3 ですが
DNA ジャイレース阻害は、ニューキノロン系の作用機序です。選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 ですが

アセチル化やリン酸化による薬物不活化なので、アミノグリコシド系抗生物質に関する記述と考えられます。選択肢 4 は誤りです。

選択肢 5 は妥当です。
β – ラクタムなので、βーラクタマーゼによる開裂で、抗菌活性減弱です。

以上より、正解は 1,5 です。

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