薬剤師国家試験 第108回 問133 過去問解説

 問 題     

毒性試験に関する記述のうち、正しいのはどれか。2 つ選べ。

  1. 食品添加物の指定を申請する際には、単回投与毒性試験を行う必要がある。
  2. 反復投与毒性試験の目的は、半数致死量 (LD50) を求めることである。
  3. 化学物質の毒性試験には、一般毒性試験と特殊毒性試験がある。
  4. 食品添加物の指定を申請する際には、アレルゲン性 (抗原性) 試験を行う必要がある。
  5. 発がん性試験では、ラットやマウスに被験化学物質を反復投与して 90 日間における腫瘍の発生の有無を調べる。

 

 

 

 

 

正解.3, 4

 解 説     

選択肢 1 ですが
単回投与毒性試験は申請に要求されません。食品添加物として申請される物質が想定されるのは「継続的摂取」です。そのため反復投与毒性試験等が要求されます。(104-129 化学物質の毒性試験)。選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2 ですが
反復投与毒性試験の目的は、無毒性量 (NOAEL) あるいは最小毒性量 (LOAEL) を決定すること等です。LD50 を求めるのに利用されるのは単回投与毒性試験です。(106-133 毒性試験)。選択肢 2 は誤りです。

選択肢 3,4 は妥当です。

選択肢 5 ですが
閾値が存在しない遺伝毒性発がん物質等の毒性に対し、生涯にわたり摂取した場合のリスクが、許容できるレベルとなるようなばく露量である「実質安全量」を、発がん性試験では、目標値として評価します。従って、試験は「生涯にわたり、長期的に」行います。(CBT 対策 no126)。「90 日間における腫瘍発生の有無」ではないと考えられます。選択肢 5 は誤りです。

以上より、正解は 3,4 です。

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