問 題
下図は、我が国における胃、肝臓、膵臓、大腸及び肺の悪性新生物による粗死亡率 (人口 10 万対) の年次推移を示したものである。部位 a ~ e の悪性新生物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2 つ選べ。
- a は大腸である。
- b の悪性新生物のリスク要因として、食塩の過剰摂取があげられる。
- c の悪性新生物が 1990 年代後半まで増加した主な要因として、ヒトパピローマウイルス感染が考えられる。
- d の悪性新生物のリスク要因として、食生活の欧米化や運動不足などによる肥満があげられる。
- e は肺である。
正解.2, 4
解 説
本問の図は「粗死亡率」であることが注意点です。粗死亡率は、(死亡数÷人口)×1000で示される指標です。(105-128 我が国における男女別の死亡統計)。
男性に注目すると、かつて胃がんが1位で、現在は肺がんが1位です。a が 肺がん、b が胃がんと考えられます。また、大腸がんが増加して上位になっていることが特徴なので、d は大腸がんです。もう1つ増加している e は膵臓がんです。以上をふまえ、各選択肢を検討します。
選択肢 1 ですが
a は肺がんです。大腸がんではありません。選択肢 1 は誤りです。
選択肢 2 は妥当です。
胃がんのリスク要因として、食塩の過剰摂取があげられます。
選択肢 3 ですが
c は肝臓がんで、肝炎ウイルス感染との混同を狙った記述と思われます。選択肢 3 は誤りです。
選択肢 4 は妥当です。
大腸がんのリスク要因として、食生活の欧米化や運動不足、肥満があげられます。
選択肢 5 ですが
e は膵臓がんです。肺がんではありません。選択肢 5 は誤りです。
以上より、正解は 2,4 です。
類題 103-126 悪性新生物の年齢調整死亡率の年次推移
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