問 題
生体内の物質移動に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- 一酸化窒素は、促進拡散により血管内皮細胞から移動する。
- 水素イオンは、受動輸送により胃壁細胞から分泌される。
- 原尿中のグルコースは、Na+との共輸送により腎臓の近位尿細管上皮細胞に取り込まれる。
- 血中のグルコースの大部分は、エンドサイトーシスにより脂肪細胞に取り込まれる。
- ノルアドレナリンは、エキソサイトーシスにより交感神経終末から分泌される。
正解.3, 5
解 説
選択肢 1 ですが
一酸化窒素(NO)は、血管内皮細胞において産生され、放出されます。「促進拡散により血管内皮細胞から移動する」わけではないと考えられます。選択肢 1 は誤りです。
選択肢 2 ですが
胃酸がプロトンポンプにより、能動的に輸送されることから「受動輸送」ではないと判断できるのではないでしょうか。選択肢 2 は誤りです。
選択肢 3 は妥当です。
SGLT(sodium glucose cotransporter) が、Na+/グルコース共輸送体です。代表的二次性能動輸送担体です。SGLT2 は腎臓の近位尿細管に局在しています。グルコースの再吸収の大部分を担っています。阻害薬が糖尿病治療薬として用いられます。
選択肢 4 ですが
エンドサイトーシスとは、膜動輸送の中でも細胞内に物質を取り入れる輸送のことです。血中グルコースは、主に GLUT というトランスポーターにより取り込まれ、エンドサイトーシスにより取り込まれるわけではないと考えられます。選択肢 4 は誤りです。
選択肢 5 は妥当です。
神経終末におけるノルアドレナリン分泌に関する記述です。
以上より、正解は 3,5 です。
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