問 題
図 1 及び図 2 は、アスパラギン酸プロテアーゼ及びシステインプロテアーゼによる基質加水分解の初期反応過程の模式図である。以下の記述のうち、正しいのはどれか。2 つ選べ。
- アスパラギン酸残基 ア と水の相互作用は、水の酸素原子の求電子性を高めている。
- アスパラギン酸残基 イ と基質カルボニル基の相互作用は、基質カルボニル基の求核性を高めている。
- システイン残基 エ のスルファニル基は、塩基として働く。
- ヒスチジン残基 ウ とシステイン残基 エ の相互作用は、エ のスルファニル基の求核性を高めている。
- アスパラギン酸残基 ア とヒスチジン残基 ウ は、塩基として働く。
正解.4, 5
解 説
選択肢 1 ですが
図1を見ると、水の O 原子による、基質の C への攻撃性を高めていると読み取れます。「C への攻撃」なので「求核性」です。求電子性ではありません。選択肢 1 は誤りです。
選択肢 2 ですが
O による攻撃の受けやすさを高めていると考えられます。つまり「求電子性」を高めています。求核性ではありません。選択肢 2 は誤りです。
選択肢 3 ですが
「塩基として」であれば、H を攻撃するはずですが、図2を見ると SH 基の S が C を攻撃しています。これは「求核剤」として働いています。塩基としてではありません。選択肢 3 は誤りです。
選択肢 4,5 は妥当です。
以上より、正解は 4,5 です。
類題 103-105 キモトリプシンの酵素活性部位における相互作用
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