薬剤師国家試験 第108回 問63 過去問解説

 問 題     

アジソン病で特徴的に認められる所見はどれか。1つ選べ。

  1. 高血圧
  2. 高血糖
  3. 体重増加
  4. 色素沈着
  5. 活動性亢進

 

 

 

 

 

正解.4

 解 説     

アジソン病とは、副腎皮質機能の低下により、副腎ホルモンが不足する病気です。鉱質コルチコイド(アルドステロン)、糖質コルチコイド(コルチゾール)、男性ホルモン低下により低血圧、易感染性、脱毛といった症状が現れます。

尿中 17-OHCS(hydroxycorticosteroid)という特徴的な検査が行われます。17-OHCS は、糖質コルチコイドの最終代謝物です。この値がアジソン病では低い値になります。

治療には、糖質コルチコイドと鉱質コルチコイドの両者の作用を持つヒドロコルチゾン補充療法が行われます。この服用は一生涯続くものであることを十分説明する必要があります。


アジソン病は一言でいえば、副腎ホルモンの不足です。そのため、
ステロイドの副作用の逆が症状として現れます。そして、ステロイドの副作用といえば、高血圧、高血糖、体重増加などです。選択肢 1,2,3 は誤りです。

また、男性ホルモンの低下から、活動性は低下すると考えられます。従って、選択肢 5 は誤りです。

以上より、正解は 4 です。

参考 病態・薬物治療学まとめ 上皮小体機能異常症、アルドステロン症、アジソン病の概説 

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