薬剤師国家試験 第108回 問60 過去問解説

 問 題     

遺伝子多型により、フェニトインの体内動態に最も影響を及ぼす代謝酵素はどれか。1 つ選べ。

  1. CYP2C9
  2. NAT2
  3. CYP2D6
  4. UGT1A1
  5. CYP2C19

 

 

 

 

 

正解.1

 解 説     

選択肢 1 は妥当です。
フェニトインに関連する CYP ときたら CYP2C9 です。

選択肢 2 ですが
NAT 2 は、イソニアジドの代謝酵素として知られています。(99-43)。選択肢 2 は誤りです。

選択肢 3 ですが
CYP 2D6 は、コデインからモルヒネへの代謝などが知られています。(107-44)。また、イミプラミンの主たる代謝酵素です。選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 ですが
UGT1A1 は、イリノテカンの活性代謝物の代謝酵素です。多型が知られています。(CBT 対策 no153)。選択肢 4 は誤りです。

選択肢 5 ですが
CYP2C19 は、クロピドグレルの代謝活性化に関与します。また、 CYP 2C19 の遺伝的多型と、オメプラゾールの血中濃度及びピロリ菌除菌の成功率に、高い相関があることが知られています。選択肢 5 は誤りです。

以上より、正解は 1 です。

参考 薬剤学まとめ 薬物代謝酵素の変動要因 

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