薬剤師国家試験 第107回 問185 過去問解説

 問 題     

ギラン・バレー症候群に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. 上気道感染症や消化器感染症の後に発症することが多い。
  2. 主に中枢神経の軸索や髄鞘が障害される。
  3. 原因病原体として最も多いのは真菌である。
  4. 下肢から上行する左右対称性の弛緩性運動麻痺がみられる。
  5. 副腎皮質ステロイド薬の単独療法により寛解が得られる。

 

 

 

 

 

正解.1, 4

 解 説     

ギランバレー症候群とは
髄液の蛋白細胞解離を特徴とした、予後良好な、急性、多発性の、運動神経の障害です。自己免疫疾患の一種と言われています。発症に先行する感染症が多く見られることや、抗ガングリオシド抗体値の上昇が見られることなどが特徴です。治療は、血しょう交換や免疫グロブリン大量投与が行われます。

選択肢 1 は妥当です。

選択肢 2 ですが
運動神経障害であることからわかるように、障害されるのは「抹消」神経です。「中枢」神経ではありません。選択肢 2 は誤りです。

選択肢 3 ですが
ギラン・バレー症候群における主な先行感染は、風邪症候群や胃腸炎などです。そのため主にウイルス感染症と考えられます。「真菌」ではありません。選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 は妥当です。

選択肢 5 ですが
治療は、血しょう交換や免疫グロブリン大量投与です。本試験時点において、特に免疫グロブリン大量投与が、簡便でよく用いられています。ステロイド薬単独投与ではありません。選択肢 5 は誤りです。

以上より、正解は 1,4 です。
類題 100-312313
参考 病態・薬物治療学まとめ 重症筋無力症、筋ジストロフィー、多発性硬化症、ギラン・バレー症候群の概説

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