薬剤師国家試験 第107回 問183 過去問解説

 問 題     

薬物とターゲティング技術に関する記述として、正しいのはどれか。2 つ選べ。

  1. レボドパは、主に P – 糖タンパク質により選択的に脳内に取り込まれる。
  2. サラゾスルファピリジンは、腸内細菌により 5 – アミノサリチル酸に変換される。
  3. フルシトシンは、腫瘍細胞内の酵素により 5 – フルオロウラシルに変換される。
  4. アルプロスタジルは、乳酸・グリコール酸共重合体マイクロスフェアを担体として病変部位にターゲティングされる。
  5. ガラクトシル人血清アルブミンジエチレントリアミン五酢酸テクネチウムは、肝細胞膜上のアシアロ糖タンパク質受容体に強く結合する。

 

 

 

 

 

正解.2, 5

 解 説     

選択肢 1 ですが
レボドパは、血液脳関門に発現する中性アミノ酸トランスポーター LAT1 により脳内に取り込まれます。(102-270 選択肢 1)「主に P – 糖タンパク質により」ではありません。選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2 は妥当です。
サラゾスルファピリジンについての記述です。(104-55)。

選択肢 3 ですが
フルシトシンは、真菌細胞内に選択的に取り込まれた後、脱アミノ化されて5-フルオロウラシルとなります。(104-162)。「腫瘍細胞内の酵素」ではありません。選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 ですが
アルプロスタジルは、「リピッドマイクロスフィア」により、ターゲッティングを目的とした DDS が実用化されています。(103-179 選択肢 1)。リピッドマイクロスフィアとは、大豆油をレシチンで乳化した o/w 型のエマルションである脂肪微粒子のことです。(97-55 選択肢 1)。「乳酸・グリコール共重合体マイクロスフェア」ではありません。選択肢 4 は誤りです。

選択肢 5 は妥当です。
ガラクトシル人血清アルブミンジエチレントリアミン五酢酸テクネチウム(®アシアロシンチ)は、放射性医薬品・肝機能診断薬です。

以上より、正解は 2,5 です。

コメント