薬剤師国家試験 第107回 問175 過去問解説

 問 題     

フェニトイン 100mg 錠を 1 回 1 錠、1 日 3 回服用するところ、誤って 1 回 1 錠、1 日 2 回しか服用していなかった。その時の患者のフェニトインの血中濃度は 4μg/mL であった。

この患者が処方どおりに 1 日 3 回服用した場合のフェニトインの血中濃度 (μg/mL) として、最も近い値はどれか。1 つ選べ。

ただし、フェニトインの血中濃度は定常状態における平均値であるものとし、フェニトインの体内からの消失は Michaelis-Menten 式で表され、Michaelis 定数を 4 μg/mL、バイオアベイラビリティを 100 %とする。

  1. 6
  2. 12
  3. 16
  4. 20
  5. 24

 

 

 

 

 

正解.2

 解 説     

105-275 などをしっかり学習していれば、確実にとれる問題です。

ミカエリスメンテン式 v = Vmax ・[S]/( Km +[S])は、基礎知識です。定常状態においては、投与量=消失速度 v と考えられます。本問では、問題文より、Km = 4 です。

1日2回服用時
定常状態の血中濃度が4、投与量が1日あたり 200 なので
[S] = 4、v = 200 を代入します。

200 = (4 × Vmax)/(4 + 4) です。
Vmax = 400 とわかります。

1日3回服用時
投与量が 1日あたり 300 になるので
v = 300 を、改めて ミカエリスメンテン式に代入します。
300 = 400・[S]/(4+[S])・・・(1) となります。

選択肢に注目し、代入すると
[S] = 12 の時、(1)の右辺が 300 となり、等号成立です。

以上より、正解は 2 です。

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