薬剤師国家試験 第107回 問155 過去問解説

 問 題     

全身麻酔薬及び催眠薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. ゾピクロンは、メラトニン MT1 受容体を刺激して、概日リズムを整える。
  2. ミダゾラムは、γ-アミノ酪酸 GABAA 受容体の活性化を増強して、鎮静作用を示す。
  3. デクスメデトミジンは、オレキシン受容体を遮断して、睡眠・覚醒サイクルを正常化する。
  4. ケタミンは、グルタミン酸 NMDA 受容体を遮断して、鎮痛作用を示す。
  5. チオペンタールは、オピオイド μ 受容体を刺激して、短時間の麻酔作用を示す。

 

 

 

 

 

正解.2, 4

 解 説     

選択肢 1 ですが
ゾピクロン(アモバン)は、非 Bz 系の薬です。とはいえ作用機序は Bz 系と同様に、GABA 受容体に結合することによる受容体の活性化促進です。「メラトニン MT1 受容体を刺激」ではありません。選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2 は妥当です。
(105-154 選択肢 1 解説)

選択肢 3 ですが
デクスメデトミジンは、アドレナリン α2 受容体を刺激し、ノルアドレナリン放出を抑制することで鎮静作用を示します。「オレキシン受容体を遮断」ではありません。選択肢 3 は誤りです。
(105-154 選択肢 4)

選択肢 4 は妥当です。
104-153 選択肢 1

選択肢 5 ですが
チオペンタールの作用機序は GABA の作用増強です。また、ヒスタミン遊離作用があるため、喘息患者に禁忌です。他に、脂肪組織に速やかに再配分されるため、作用時間が短いという特徴があります。(97-155 選択肢 4 解説)。「オピオイド μ 受容体を刺激」ではありません。選択肢 5 は誤りです。

以上より、正解は 2,4 です。

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