薬剤師国家試験 第107回 問143 過去問解説

 問 題     

医薬品の開発における臨床試験に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。

  1. 第Ⅰ相試験の主な目的は、用法・用量を決定することである。
  2. 前期第Ⅱ相試験の主な目的は、薬物動態試験の実施である。
  3. 後期第Ⅱ相試験の主な目的は、臨床薬理試験の実施である。
  4. 第Ⅲ相試験の主な目的は、検証的試験の実施である。
  5. 第Ⅳ相試験の主な目的は、効能・効果を追加することである。

 

 

 

 

 

正解.4

 解 説     

選択肢 1,2 ですが
第 I 相試験は、健康な成人ボランティアに対し、開発中の薬剤を投与し安全性や薬物動態を確認するような試験です。用法・用量の決定が主な目的である試験は、第 II 相試験です。選択肢 1,2 は誤りです。

選択肢 3 ですが
臨床薬理試験とは、薬物動態試験と薬力学試験の総称です。臨床試験のうち、少数の健康な成人志願者を被験者として、忍容性、薬物動態などを中心に検討することを目的とする試験となります。第Ⅰ相試験に対応します。「後期第Ⅱ相試験」ではありません。選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 は妥当です。
検証的試験とは、第Ⅲ相試験の別名です。それまでの治験で得られた安全性・有効性等について検証する試験です。(103-77)。

選択肢 5 ですが
第Ⅳ相試験は、製造販売後臨床試験とも呼ばれる試験です。承認後、安全性や治療効果に関する情報を得ることが目的です。「効能・効果を追加すること」が主な目的 というわけではありません。選択肢 5 は誤りです。

以上より、正解は 4 です。

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