107回薬剤師国家試験 問139解説

 問 題     

上水道における浄水処理に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. 凝集沈殿とろ過処理の間に行う塩素処理を前塩素処理という。
  2. 水中のアンモニウムイオンは、塩素消費量増加の原因となる。
  3. 不連続点塩素処理の目的は、トリハロメタンの生成を抑制することである。
  4. オゾンによる高度浄水処理では、臭気物質などが酸化分解により除去される。
  5. 水中のアルカリ分と硫酸アルミニウムが反応して、水酸化アルミニウムゲルが生成し、沈降性のフロックが形成される。

 

 

 

 

 

正解.4, 5

 解 説     

選択肢 1 ですが
水道水における塩素処理には、前処理、中間処理、後処理、追加処理 があります。沈殿とろ過の間に行う塩素処理は、中間処理です。前塩素処理は、原水への塩素処理です。選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2 ですが
塩素消費量とは、水に塩素を注入し、初めて残留塩素を認めるのに必要な塩素量のことです。(97-138)。塩素を消費する成分(鉄分など。)に対する塩素消毒が行われる部分における塩素量です。水中にアンモニア性の窒素が存在する場合に増加するのは、残留塩素の大部分が結合残留塩素の部分における塩素注入量(下図の c – a の部分)です。選択肢 2 は誤りです。

選択肢 3 ですが
不連続点塩素処理とは、不連続点を超えた塩素注入処理です。目的は適正な消毒効果を得ることです。トリハロメタン生成抑制は、塩素処理では実現できません。選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4,5 は妥当です。

以上より、正解は 4,5 です。

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