薬剤師国家試験 第107回 問74 過去問解説

 問 題     

薬害事案として、血友病患者への非加熱血液製剤の使用が原因となり生じたのはどれか。1 つ選べ。

  1. HIV 感染症
  2. クロイツフェルト・ヤコブ病
  3. アザラシ肢症
  4. スモン病
  5. クロロキン網膜症

 

 

 

 

 

正解.1

 解 説     

血友病患者への 非加熱血液製剤が原因となり生じたのは、HIV 感染症です。

以上より、正解は 1 です。

ちなみに
ヒト乾燥硬膜の使用により発現した疾患で、薬事法に生物由来製品に関する規定が設けられる契機となったのが、クロイツフェルト・ヤコブ病です。現在 五類感染症に分類されています。(99-74)。

アザラシ肢症を引き起こしたのは、サリドマイドです。近年多発性骨髄腫及びハンセン病の治療薬として、サリドマイドが再評価され、使用されています。(106-141)。

整腸剤キノホルムによって引き起こされたのが、スモンです。スモン(SMON)は、亜急性脊髄視神経症とも呼ばれます。激しい腹痛の後、約2~3週間後に脱力、歩行困難などの症状が現れます。特徴的な症状として、舌に緑色の苔が生え、便が緑色になるといった症状があります。(101-146)。

クロロキンは、抗マラリア薬の一つです。副作用として、クロロキン網膜症が報告され、使用中止になりました。(100-76)。

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