薬剤師国家試験 第107回 問54 過去問解説

 問 題     

薬物送達システム (DDS) の概念に基づいて製剤を開発する際の利点として、誤っているのはどれか。1 つ選べ。

  1. 病巣部位への薬物の集積
  2. 薬効の持続化
  3. 血液脳関門の透過性改善
  4. 腎排泄の増大
  5. 副作用の軽減

 

 

 

 

 

正解.4

 解 説     

DDS(drug delivery system)とは、薬物送達システムです。医薬品の効果をよりよく発揮するために設計された投与形態の総称です。

医薬品の効果をよりよく発揮する という観点に注目すれば
選択肢 1,2,3,5 について

・病巣部位への薬物の集積 → 病巣における薬物濃度上昇に伴い薬効も大きくなる
・薬効の持続化 → 1回の投与で効果を長期間発揮できる
・血液脳関門透過性改善 → 中枢作用がより発揮される
・副作用軽減 → 用法・用量の改善につながる

といった効果が期待できると推測できるのではないでしょうか。


一方、選択肢 4 ですが
腎排泄増大は、医薬品の効果をよりよく発揮する という点からは、妥当ではないと考えられます。


以上より、正解は 4 です。

参考 薬剤学まとめ DDSの概念と有用性

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