薬剤師国家試験 第106回 問330 過去問解説

 問 題     

32歳男性。双極性障害の患者。調剤薬の交付時には、いつも妻が横に付き添っている状況であった。今回、衝動コントロールが効かない状態になることがあり、次回の予約診察日より前に受診し、以下の処方が追加された。

服薬指導の内容として最も適切なのはどれか。1つ選べ。

  1. 口腔粘膜からの吸収による効果が期待できる。
  2. 予めブリスターシートから取り出して保管する。
  3. 口腔内の速溶により吐き出し防止が期待できる。
  4. 服用時は空腹を避ける。
  5. 緊急に服用する場合はブリスターシートの上から押し出してもよい。

 

 

 

 

 

正解.3

 解 説     

選択肢 1 ですが
口腔内崩壊錠なので、経口摂取時の速やかな崩壊・吸収が期待される剤形です。口腔粘膜からの吸収が期待できるのは舌下錠などです。選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2 ですが
口腔内崩壊錠は吸湿性が高く、予めシートから取り出して保管してはいけません。選択肢 2 は誤りです。

選択肢 3 は妥当な記述です。

選択肢 4 ですが
空腹時を避けるという注意は特にありません。おそらく、ジプレキサについて特に注意すべき副作用の1つに血糖変動があるため、その記憶から用法を勝手に推測することを狙った選択肢と思われます。選択肢 4 は誤りです。

選択肢 5 ですが
シートを剥がさず押し出そうとすると割れることがあるため、シートを剥がさず押し出してはいけません。選択肢 5 は誤りです。

以上より、正解は 3 です。

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