薬剤師国家試験 第106回 問183 過去問解説

 問 題     

単一有効成分含量の表示が 50mg の素錠Aについて日本薬局方製剤均一性試験法の質量偏差試験を実施した。Aの 30 錠をとり、初めの試料 10 個について個々の質量を精密に測定し、含量を推定したところ表のようになった。

本試験の結果について正しい判定はどれか。1つ選べ。

なお、表示量に対する%で表した製造時における個々の製剤中の目標含量を 100% としたときの判定値の計算式は以下のとおりであり、判定値の最大許容限度値は 15% である。

(AV:判定値、M:基準値、X:表示量に対する割合(%)で表示した個々の含量の平均、k:判定係数(10錠の場合は2.4、30錠の場合は2.0)、s:標準偏差)

  1. 判定値は 11.6 となり、基準値の最大許容限度値を越えていないので、製剤均一性試験法に適合している。
  2. 判定値は 11.6 となり、基準値の最大許容限度値と一致していないので、製剤均一性試験法に適合しない。
  3. 判定値は 11.6 となり、基準値の最大許容限度値を越えていないので、製剤均一性試験法に適合しない。
  4. 判定値は 8.62 となり、基準値の最大許容限度値を越えていないので、製剤均一性試験法に適合している。
  5. 判定値は 8.62 となり、基準値の最大許容限度値と一致していないので、製剤均一性試験法に適合しない。
  6. 判定値は 8.62 となり、基準値の最大許容限度値を越えていないので、製剤均一性試験法に適合しない。

 

 

 

 

 

正解.4

 解 説     

表記上、X の平均を、X と表します。AV = |MーX| + ks という式に数値を代入します。

X が 表から 96.6 とわかります。この時、M = 98.5 となるため、絶対値の中身は 98.5 ー 96.6 = 1.9 です。k は 10 錠なので、2.4 です。s は表から 2.8 です。

従って、AV = 1.9 + 2.4 × 2.8 = 8.62 です。15 を超えておらず、試験法に適合します。

以上より、正解は 4 です。

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