薬剤師国家試験 第106回 問176 過去問解説

 問 題     

抗菌薬の投与計画に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. 薬物動態 (PK) パラメーターとして、最小発育阻止濃度 (MIC) が用いられる。
  2. 薬力学的 (PD) パラメーターとして、time above MIC が用いられる。
  3. PK-PD パラメーターとして、血中濃度時間曲線下面積 (AUC) を MIC で除した AUC/MIC が用いられる。
  4. 濃度依存性作用型薬物の PK-PD パラメーターとして、最高血中濃度 (Cmax) を MIC で除した Cmax/MIC が用いられる。
  5. 時間依存性作用型薬物は、1 回あたりの投与量を増やし、投与間隔を延ばすことが望ましい。

 

 

 

 

 

正解.3, 4

 解 説     

選択肢 1,2 ですが
ADME に伴う薬物動態と関係するパラメータか、そうでないかで判断するとよいと思います。最小発育阻止濃度とは、病原菌の発育が阻止される最小濃度のことです。薬物動態とは独立したパラメータといえます。これは「薬力学的(PD) パラメータ」です。一方、time above MIC は薬物動態に関連するパラメータといえます。従って、薬物動態 (PK) パラメータです。選択肢 1,2 は、前半部分が逆であり、共に誤りです。

選択肢 3,4 は妥当です。

選択肢 5 ですが
必要血中濃度をある程度の時間保つことで作用するのだから、投与回数を増やし、投与間隔を短くするべきと考えられます。選択肢 5 は誤りです。

以上より、正解は 3, 4です。

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