薬剤師国家試験 第106回 問115 過去問解説

 問 題     

糖及び糖鎖に関する記述のうち、正しいのはどれか。2 つ選べ。

  1. グリコーゲンホスホリラーゼの触媒する反応により、グリコーゲンが加水分解されてグルコース 1- リン酸が生じる。
  2. 哺乳類の細胞表面の膜タンパク質において、N- 結合型糖鎖は主としてリシン残基に付加される。
  3. A 型インフルエンザウイルスは、宿主細胞膜上の糖鎖末端のシアル酸に結合する。
  4. CHO 細胞(チャイニーズハムスター卵巣細胞)で産生させた遺伝子組換えモノクローナル抗体に付加する糖鎖は、一般的に均一なものとなる。
  5. ヒアルロン酸やコンドロイチン硫酸は繰り返し構造をもったポリアニオンである。

 

 

 

 

 

正解.3, 5

 解 説     

選択肢 1 ですが
グリコーゲンから G1P の生成は、グリコーゲンホスホリラーゼによるリン酸との反応により生じます。従って、加水分解ではありません。よって、選択肢 1 は誤りです。(103-113)。

選択肢 2 ですが
N – 結合型糖鎖は、主として「アスパラギン残基」です。ちなみに、Oー結合型糖鎖は「セリン or トレオニン残基」です。(生化学まとめ タンパク質の翻訳後修飾)。リシン残基ではありません。選択肢 2 は誤りです。

選択肢 3 は妥当です。

選択肢 4 ですが
一般的に糖鎖部分は不均一です。選択肢 4 は誤りです。

選択肢 5 は妥当です。

以上より、正解は 3,5 です。

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