薬剤師国家試験 第106回 問42 過去問解説

 問 題     

以下の剤形のうち、薬物の肝初回通過効果を回避するのに最も適しているのはどれか。1つ選べ。

  1. 経口徐放錠
  2. 口腔内崩壊錠
  3. 腸溶錠
  4. 経口ゼリー剤
  5. 坐剤

 

 

 

 

 

正解.5

 解 説     

肝初回通過効果とは、薬物が体循環に入る前に代謝を受けることです。具体的には、経口で投与された薬物は消化管吸収を経て、門脈という肝臓へダイレクトにつながっている血管を通り、肝臓へ運ばれます。そこで代謝を受けた後、循環血へ運ばれて、全身へと分布します。この、循環血に入る前の代謝のことを肝初回通過効果と呼びます。(参考 薬剤学まとめ 初回通過効果)。従って、経口投与される薬物である、選択肢 1 ~ 4 は、肝初回通過効果を回避するためには不適切です。

以上より、正解は 5 です。

参考 薬剤学まとめ 非経口投与後の薬物吸収

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