薬剤師国家試験 第105回 問338 過去問解説

 問 題     

59歳女性。以下の処方薬と検査値の記載された処方箋を薬局に持参した。この患者は約1年間、同一の処方内容で外来治療を受けており、前回までの検査値は基準値内を推移していたが、今回の検査で異常が認められた。

今回の検査値:Hb 12.4g/dL、Plt 23.0×104/μL、Na 140mEq/L、Cl 100mEq/L、K 5.8mEq/L、血清クレアチニン値 0.78mg/dL、AST 22IU/L、ALT 20IU/L、HbA1c 5.2%(NGSP値)、LDL-C 105mg/dL、TG(トリグリセリド) 115mg/dL

今回の検査値の異常と関連性が高く、疑義照会すべき優先順位の高い医薬品はどれか。2つ選べ。

  1. エプレレノン錠
  2. リナグリプチン錠
  3. ピタバスタチンカルシウム錠
  4. カルベジロール錠
  5. ペリンドプリルエルブミン錠

 

 

 

 

 

正解.1, 5

 解 説     

K 値の基準値目安は まず大雑把に 4 ± 0.5 ぐらいの範囲で、上は 5.0 ぐらいまで、です。高 K と判断します。

エプレレノン(セララ)は選択的アルドステロンブロッカーです。K 保持性利尿薬です。高 K 血症が見られるため、疑義照会すべきと考えられます。

リナグリプチン(トラゼンタ)は、◯◯グリプチンなので、DPP-4(Dipeptidyl Peptidase-4選択的阻害薬です。

ピタバスタチン(リバロ)は、スタチン系、HMG – CoA 還元酵素阻害剤です。

カルベジロールは、α,β 遮断薬です。

ペリンドプリル(コバシル)は、持続性組織 ACE 阻害剤です。レニンーアンギオテンシン系の抑制により、高 K 血症を引き起こす可能性があるため、疑義照会すべきと考えられます。

以上より、正解は 1,5 です。

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