薬剤師国家試験 第105回 問337 過去問解説

 問 題     

アドレナリン自己注射用キット製剤において、使用時に針が出ないという不具合が報告され、独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)より、クラスⅠの回収情報が出された。

この報告を受けて、ある病院の薬剤師が該当ロットの製剤の納品履歴があるかどうかを確認したところ、6ヶ月前に1本納品されていたが、調剤済みで在庫はなかった。該当ロットの製剤の使用期限はあと9ヶ月程度残っていることが判明した。

この病院がとるべき対応として最も適切なのはどれか。1つ選べ。

  1. クラスⅠの回収であるため、今後の様子を見守る。
  2. 該当ロットの製剤を調剤された患者に連絡をし、未使用であれば代替品と交換する。
  3. 病院ホームページにおいて、該当ロットを公表し、患者からの連絡を待つ。
  4. 患者から該当ロットの製剤を回収し、代替品を提供し実費を請求する。
  5. 該当ロット以外の製剤についても、可能な限り回収する。

 

 

 

 

 

正解.2

 解 説     

クラス I とは、その製品の使用等が、重篤な健康被害又は死亡の原因となりうる状況をいいます。要するに緊急です。すぐ調剤された患者に連絡をし、未使用であれば別ロットの代替品と交換します。

選択肢 1,3 のように「見守る」や「患者からの連絡を待つ」といった、のんびりした対応は適切ではないと考えられます。

一方で
選択肢 5 のように「該当ロット以外」まで回収する必要性はありません。

このような場合においての実費については、メーカー負担になると考えられます。少なくとも患者側から見た時に「使えない針を渡されて、後に唐突に交換を要求された上に実費請求される」というのはおかしい記述であると判断できるのではないでしょうか。

以上より、正解は 2 です。

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