薬剤師国家試験 第105回 問332 過去問解説

 問 題     

中耳炎と診断された1歳9ヶ月の乳幼児を連れた母親が、下記の処方箋を持って薬局を訪れた。この患者の服薬にあたり、薬剤師が留意すべき副作用とその理由として適切なのはどれか。1つ選べ。

  1. ビタミンDの活性化を阻害するので、低カルシウム血症に注意する。
  2. 小児においては腸管から水分を奪い腸管内容物を軟化させるので、下痢に注意する。
  3. カルニチンの尿中排泄が促進されるので、低血糖症状に注意する。
  4. 脂肪酸代謝に支障をきたすので、脂質異常症に注意する。
  5. 消化酵素によりアセトアルデヒドが発生するので、消化管粘膜障害に注意する。

 

 

 

 

 

正解.3

 解 説     

実習中に指導されたのを思い出してにっこりした人もいた問ではないでしょうか。

「ピボキシル基」とは「COOーtert」部分です。tert(ターシャル) は、トリメチル、十字架みたいな部分のことです。

ピボキシル基を有する抗菌薬投与
→エステル部分が加水分解されて、活性本体+「ピバリン酸」となる。このピバリン酸がカルニチン抱合を受けて代謝されるため、カルニチン消費亢進して血中「低カルニチン」
→ 脂肪酸 「β 酸化できない」 
→ 「糖新生できないため低血糖」という流れです。けいれん等が見られることがあります。

以上より、正解は 3 です。

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