薬剤師国家試験 第105回 問329 過去問解説

 問 題     

60歳男性。1ケ月前から息切れが出現し、病院を受診したところ、初めて以下の薬剤が処方された。その他に既往歴や常用薬はない。

薬局に処方箋を持参した際に、患者が日常生活で注意すべき点を薬剤師に尋ねた。以下のうち、この疾患の増悪を早期に発見する上で、薬剤師が患者に伝えるべきセルフモニタリングの観点として適切なのはどれか。2つ選べ。

  1. 尿蛋白の増加
  2. 体重の急な増加
  3. 体重の急な減少
  4. 安静時脈拍数の増加
  5. 急な発熱

 

 

 

 

 

正解.2, 4

 解 説     

エナラプリルマレイン酸は、ACE 阻害剤です。降圧薬の一種です。

ビソプロロールは、心臓のアドレナリンβ1受容体を遮断することで心拍数を減少させます。

アゾセミドはループ利尿薬です。

ジゴキシンは、ジギタリス製剤です。強心剤です。

息切れをふまえると、心臓への負担を小さくする という処方意図と考えられます。心機能の低下と符号するのは「安静時脈拍数の増加」と判断できるのではないでしょうか。心機能低下→全身への酸素供給が減少するためと考えられます。

また、心機能と腎臓の機能的な関連をふまえ、患者のセルフモニタリングの観点として「むくみ」の進行に伴う「体重の急な増加」が見られないかに注意するように伝えるべきと考えられます。

以上より、正解は 2,4 です。

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